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DEV LOG — FABLE 03

避けるゲームを、
避けるだけのゲームにしない

弾幕シューティングって、放っておくと「避ける腕前だけで決まるゲーム」になりがちです。
それ自体は悪いことじゃないんですが、この作品ではちょっと避けたかった。先に物語があったので。

2026年9月17日 · フェイブル・オブ・アビス

最初の仕様を壊した話

当初の設計では、弾幕を避けながら会話を読ませるつもりでした。画面の下に台詞が流れて、そのあいだも弾は飛んでくる。臨場感あっていいんじゃないか、と思っていたんです。

実際に遊んでみたら、まったく駄目でした。避けるので手一杯で、文字を読む余裕がぜんぜんない。読もうとすれば当たるし、避けようとすれば読めない。どっちも中途半端になります。

この作品は、先に物語があって、それを遊べる形に載せ替えたものです。前回の記事に書いたとおりですね。物語が伝わらないなら根本からひっくり返ってしまいます。なので思い切って分けました。

いまは技がひとつ終わるたびに時間が完全に止まります。弾も、ボスの制限時間も、自機の動きも、全部止まる。会話を読み終えてから次の弾幕が始まります。会話中に事故死することは、仕組みの上で起こりません。

この「止める」は演出じゃなくて、実装としても本当に止めています。ゲームの状態が「会話中」になっているあいだは、更新処理そのものが動きません。止め忘れがあると会話の裏で弾が進んでしまうので、状態の判定は一か所にまとめてあります。

当たり判定はかなり小さめ

自機に当たり判定があるのは、中心の赤い点だけです。半径にして 2.6 ピクセル。480×640 の画面のなかだとかなり小さい値です。

狙いは避けている実感です。画面が弾で埋まっているように見えても、実際には抜けられる。抜けたときに「いまの通れた!」と思えるのが、このジャンルの気持ちよさだと思っています。判定が機体の見た目どおりだったら、埋まった瞬間に詰みです。

ただ、小さいだけだと伝わらないんですよね。自分の判定の大きさを知らないと、避けられるのに避けようとしてしまう。なのでShiftの集中中だけ赤い点が見えるようにしました。一度見てもらえれば、そのあとの動き方が変わります。

準備の段階で戦い方を決めてもらう

避ける腕だけのゲームにしないために置いたのが、開始前の準備です。

途中で変えられない仕様にしたのは、選択に重さを持たせたかったからです。いつでも変えられるなら、それはもう選択じゃないので。

おかげで、同じ弾幕でも構成によってまるで違うものに見えるようになりました。時間を止めるボムを持っている人と、無敵で走り抜けるボムを持っている人とでは、同じ場面での正解が違います。

ただ、ここはやり残しがあります。ステータスとボムのバランスは、もう少し均等にしたかった。いまは組み合わせによって明らかにラクなものと、明らかにキツいものがあります。五つのボムの強さを揃えるのはとくに苦労しました。

制限時間は保険であって攻略法じゃない

ボスの弾幕にはそれぞれ制限時間があります。倒せなくても、避け切れば次のゲージに進みます。

これは腕前が理由で結末に届かない作りにしないための仕掛けです。火力を低めに組んだ人でも、そこで永久に詰まることはありません。

ところが、テストプレイを重ねて分かったのが耐え続けるより削り切るほうが速くて事故も少ないということでした。弾幕は長引くほど被弾の機会が増えます。時間いっぱい避け続けるのって、単純にしんどいんですよね。

なので制限時間は仕組みとしては残しつつ、攻略法としては勧めていません。行き詰まったときの答えは「耐える」じゃなくて「攻撃に振る」です。遊び方にもそう書いてあります。

三つの難易度に、別々の役割を持たせた

ノーマルNORMAL物語を最後まで読み通すための難易度。ステータスとボムを選べば誰でもクリアできることを目標に調整しました。
ハードHARD実力が要る難易度。避ける腕、振り分けの設計、ボムを切る判断が同時に必要になります。
エクストラEXTRA上級者でも楽しめる難易度。ここが、いまだに決着していません。

三つのうち、ハードの調整はうまくできたと思っています。狙いどおりの手応えになりました。

問題はエクストラです。これが適切な難しさなのか、自分では判断できないんですよ。作った本人は全部の弾幕の中身を知っているので、初見の難しさが測れない。かといって難しくしすぎると、誰も辿り着けないものになります。公開してからも何度か手を入れていて、たとえば全カードに一律で追加弾を重ねる方式はやめて、カードごとに固有の変化を付ける方針に切り替えました。密度を四分の一まで落とした弾幕もあります。

というわけでエクストラは、いまも調整中につき非推奨としています。もしクリアできた方がいたら、ぜひ報告をください。自分で測れない部分なので、遊んだ人の声がそのまま判断材料になります。

じつは順番が大事だったりします

最後に、実装でいちばん気を遣ったところを書いておきます。1フレームのなかで何を先にやるかです。地味な話ですが、けっこう効きます。

このゲームは毎フレーム、自機を動かして、ボムの効果を処理して、敵を動かして、弾を動かして、最後に被弾判定をやります。被弾判定を最後に置いているのは、その1フレームの結果が全部出そろってから当たったかどうかを決めるためです。

とくに効いているのが、ボムによる弾消しを、敵が弾を撃つより前に置いてあること。弾幕を消し続けるボムの最中でも、ボスは撃ってきます。その弾は1フレームだけ存在するんですが、判定に届く前に消えます。おまけにボムの発動中は無敵なので、二重で実害が出ないようにしてあります。

この順番を入れ替えると、「消しているはずのボムを使っているのに当たる」という、いちばん納得のいかない被弾が起きます。目に見えない部分ですけど、遊んだときの印象を決めているのはこういうところだと思っています。

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